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#8『“この土地にしかない”価値をつくる』
2025 / 06 / 26


消滅可能性都市と呼ばれても、この街には未来がある
僕が拠点にしている大分県臼杵市は、いわゆる「消滅可能性都市」にも名を連ねています。人口は年々減少し、高齢化が進み、空き家も増えている。そんな現実は、重くのしかかってくるものがあります。正直、自分ひとりがあがいたところで、何が変わるんだろうかと思うこともあります。
でも、それでも——
臼杵には、他にはない“魅力”があると信じています。豊かな自然、歴史ある町並み、受け継がれてきた食文化。そして、なにより“人の温かさ”。
移住者に対しても優しい雰囲気があって、知らないうちに地域の人たちに支えてもらっている。だからこそ、こんな素晴らしい町を「なんとか残していきたい」と心から思っています。
観光資源の“ない”場所に、人を呼ぶという挑戦
ブルーベリーファームうすきがあるのは、臼杵市内でも観光資源とは縁遠い、静かな農村エリアです。電車も1時間に1本、バスはほとんど通らない。観光地と呼べる場所は周りになにもありません。
でも、だからこそ意味があると思っています。
“観光”というと、どうしても名所や映えスポット、SNSで拡散されるような場所を想像しがちです。でも、僕がやりたいのは、そういう「刺激」のある観光ではありません。
自然の中で、季節の移ろいを肌で感じながら果実を摘む。鳥の声を聞きながら、ゆっくりとカフェのテラスで風に吹かれる。家族で過ごす何気ない時間が、特別な思い出になる——。
そんな“余白”のある時間こそが、今の時代に求められているんじゃないかと考えています。
この土地でブルーベリーをつくる理由
臼杵のこの土地は、もともと僕の祖父のものでした。かつては田んぼとして使われていたものの、長い間放置され、荒れ地になっていました。
でも、草刈りだけは祖父や父が続けてくれていたおかげで、森になることもなく、僕がチャレンジできる場所として残っていた。
そんな場所で、ブルーベリーという果物を育て、観光農園として再生する。これは、ただ農業をやるというだけでなく、「この土地を活かす」という挑戦でもあります。
特別な観光資源がない土地でも、人が訪れる理由をつくる。
それは、もしかしたら「この土地にしかない価値」をつくるということに、つながるのかもしれません。
“自然体の魅力”が、誰かの心を動かす
SNSの時代だからこそ、人工的なものや作り込まれた世界よりも、“自然体”であることの価値が見直されているように感じます。
臼杵の空気、光、風、土、人。 そのどれもが、ここにしかない“質感”を持っている。
観光農園に来てくれたお客様が、「ここってなんか落ち着きますね」「子どもが自然と笑ってて、嬉しかったです」と言ってくれると、本当にやってよかったなと思うんです。
もちろん、収穫体験やカフェのメニューなども魅力のひとつですが、それ以上に、“この場所でしか味わえない空気感”が、心に残るんじゃないかと信じています。
この土地で、自分にしかできないことを積み重ねていく
大それたことはできません。 でも、少しずつでいいから「来てよかった」と思ってもらえる場をつくっていきたい。
その積み重ねが、臼杵という町の未来につながっていけば、これほど嬉しいことはありません。
“この土地にしかない価値”は、派手ではないけれど、確実にここにあります。
それを信じて、今日も一歩ずつ前に進んでいきます。
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