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#3 妻の説得に3年かかりました
2025 / 06 / 18


こんにちは
ブルーベリーファームうすきの伊東健太です。
今回は、私がブルーベリー観光農園を始めるまでの中で、最も時間とエネルギーをかけた「妻の説得」について正直にお話ししてみようと思います。これから新しいことにチャレンジしようと考えている方の参考になれば幸いです。
■ 観光農園の構想は5〜6年前から
ブルーベリー観光農園をオープンした今では、多くのお客様に足を運んでいただけるようになり、本当にありがたい日々を過ごしています。ですが、この事業の構想は実に5〜6年前から温めてきたものでした。
長男として生まれ育った臼杵の土地を自然と引き継ぐ流れはありました。しかし、当初の私は農業そのものに強い興味があったわけではありません。正直に言えば、農業を「仕事」としてやっていくイメージが全く湧いていませんでした。
ただ、その中でもずっと心の奥底にあったのは
「自分が真心こめて作ったものを直接お客様に届ける仕事がしたい」
という想いでした。
そんな想いを突き詰めていったとき、「観光農園」という選択肢に辿り着いたのです。お客様が現地に足を運び、自分が作った作物をその場で収穫して食べていただく。こんなに直接的に喜んでもらえる仕事は他にないのではないか─そう強く思いました。
■ 妻の不安は当然だった
しかし、家族の協力なくしてこの挑戦はできません。特に妻の理解は欠かせないものでした。
当時の私は、観光農園をやりたいという想いだけが先走っており、まだまだ準備不足だったのも事実です。事業計画も不十分で、収益モデルやリスクの説明も曖昧でした。そんな中で妻に話すたびに、現実的な不安の声が返ってきました。
- 本当にお客様は来てくれるの?
- 家計は大丈夫なの?
- どれくらい初期投資が必要なの?
- 天候不順や自然災害が起きたらどうするの?
- 農業は未経験なのにやっていけるの?
これらの質問に、当時の私はしっかり答えることができませんでした。今振り返ると、妻が不安になるのは当然のことだったと思います。むしろ現実を見てくれていたのは妻の方だったのかもしれません。
■ 「説得する」のはエゴだったと気づく
この頃、私が強く感じたことがあります。
「説得する」という行為そのものが自分のエゴであり、おこがましいものだということです。
夢や理想は自分の中では熱く燃えていますが、家族にとっては突然降って湧いた話です。何も準備が整っていない段階で「やりたいから応援してほしい」と言うのは、ある意味で無責任だったとも思います。
そしてもう一つ痛感したのは、
「ビジョンを共有することは、想像以上に難しい」という現実です。
いくら自分の中では鮮明に見えていても、それを他人に伝え、同じ景色を共有するのは簡単ではありません。特に「家族の生活がかかっている」となれば、なおさら慎重になります。
■ 何度も話す中で自分の考えも整理された
それでも私は諦めませんでした。
というよりも、諦めるという選択肢がありませんでした。
何度も何度も妻と話し合う中で、逆に私の頭の中が整理されていきました。資金計画を作り直し、収支シミュレーションを作成し、リスク対策を書き出し、他の観光農園の事例を調べ、少しずつ「形のある計画」に仕上げていきました。
説明を重ねるたびに、自分の考えも言語化され、より明確になっていったのです。
やがて妻とも一緒に他県のブルーベリー狩り体験に出かけたり、先輩農家さんの話を聞きに行ったりする中で、徐々に妻の表情にも変化が現れ始めました。
■ 妻の理解が今の基盤になっている
そしてようやく──構想から約3年。
妻の中にも少しずつ「やるなら応援するよ」という気持ちが芽生えてきました。
そこからの妻のサポートは本当に大きなものでした。農地の準備や資金調達、子育てのサポート、カフェの開業準備まで、多くの場面で支えてくれました。特に、開業直前の多忙な時期には、妻の存在なくしては乗り切れなかったと思います。
今こうしてブルーベリー観光農園を運営できているのは、間違いなく妻の理解と支えがあったからこそです。家族というのは「一緒に働く」というよりも「一緒に信じる」ことができる存在だと、改めて実感しています。
次回は「じいちゃんとの約束」についてお話します。涙が溢れて本当に書けるのか心配ですが(笑)
またぜひ読んでいただけると嬉しいです!
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